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大阪高等裁判所 平成3年(ネ)1549号 判決 1992年3月27日

主文

1  控訴人の被控訴人壷阪に対する主位的請求を棄却する。

2  本件控訴を棄却する。

3  控訴費用は控訴人の負担とする。

理由

一  当裁判所も、控訴人の被控訴人らに対する本訴損害賠償請求はいずれも理由がないと思料する。その理由は、次に付加、訂正するほか、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決二三頁四行目の全部を削除する。

2  原判決二三頁六行目の「原告会社代表者本人の尋問の結果」の次に「(原審及び当審)」と付加する。

3  原判決二四頁について、二行目の「訴外公進」の次に「名義」と付加し、一二行目の「訴外竹田」を「竹田」と改める。

4  原判決二五頁について、七行目から八行目にかけての「昭和五三年七月頃、同訴外人からの多額の融資の担保のために、」を削除し、一二行目の「同じく」の次に「訴外青山の依頼を受けた訴外安東が、訴外ハウス及び訴外七福の申請代理人として、」と付加する。

5  原判決二六頁七行目の「登記申請」から同一〇行目の「理由に、」までを「登記申請は、」と改める。

6  原判決二七頁について、初行の「本人の尋問の結果」の次に「(原審)」と付加し、六行目の「所有権移転」を「所有権移転登記」と改め、同行の「提起し」の次に「、後にこれを損害賠償請求訴訟に変更し」と付加する。

7  原判決二七頁八行目と九行目の間に左のとおり付加する。

「二 そこで、先ず、控訴人の被控訴人壷阪に対する主位的請求原因について判断する。

《証拠略》を総合すると、控訴人代表者が本件売買契約締結の際に被控訴人壷阪の立会いを求めたのは、本件売買契約の対象物件が区分所有の建物であつて、控訴人代表者としてはこのような建物についての取引の経験がなかつたため、相手方の持参する書類が整つているかどうかを調べてもらうため、及び、その後の登記手続を依頼するためであつたと認められ、右依頼の趣旨及びこれに通常付随するものをこえて、控訴人主張のように一般的に権利証の交付を受けることなく売買代金を支払うことの危険性を判定しこれを控訴人に告知する義務を被控訴人壷阪が負つたとまで認めることはできない。

そして、後記認定の本件売買契約締結当日の状況によると、被控訴人壷阪は、被控訴人岡田がその四日前の昭和五三年八月三日に訴外ハウスの依頼を受けて所有権保存登記及び訴外公進に対する所有権移転登記の登記申請手続をした事実を同被控訴人から聞き、かつ、訴外ハウス或いは訴外松田が右登記申請手続の障害となる行為をしたことを知らされず、また、これを知り得る立場にもなかつたと認められるから、被控訴人壷阪において、後日被控訴人岡田から権利証を確実に入手できると判断して、その旨控訴人代表者に述べたにとどまり、権利証の交付を受けないで取引することの一般的危険性について説明告知しなかつたことが控訴人に対する契約上の義務に違反する行為に当たるということは困難である。

したがつて、控訴人が当審で主張する被控訴人壷阪の委任契約上の義務の懈怠を理由とする請求は理由がない。

三  次に、控訴人の被控訴人らに対する不法行為に基づく請求の当否について判断する。」

8 原判決二七頁九行目の「二」、「しかしながら」をそれぞれ削除する。

9 原判決二九頁について、五行目の「訴外竹田」を「控訴人代表者の竹田」と、九行目から一〇行目にかけての「訴外竹田及び松田」を「控訴人代表者竹田及び訴外松田」と、それぞれ改める。

10 原判決三〇頁について、四行目の「訴外竹田」を「控訴人代表者の竹田」と、一〇行目の「ないものとして」を「ないものとして」と、それぞれ改める。

11 原判決三四頁末行から三五頁初行にかけての「かつて」を「かつて」と改める。

12 原判決三六頁について、八行目の「登記事務が」を「登記事務の」と改め、末行の「原告は、」の次に「被控訴人壷阪において」と付加する。

13 原判決三七頁六行目の「被告岡田」を「被控訴人壷阪」と改める。

14 原判決三九頁一二行目の「訴外竹田」を「竹田」と改める。

二  以上により、控訴人が当審で追加主張した被控訴人壷阪に対する主位的請求を棄却し、被控訴人壷阪に対する予備的請求及び被控訴人岡田に対する請求を棄却した原判決は相当であるから、本件控訴を棄却することとし、訴訟費用の負担について民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 妹尾圭策 裁判官 亀田広美)

裁判長裁判官大久保敏雄は、退官につき、署名捺印することができない。

(裁判官 妹尾圭策)

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